Polaris

「……青柳さんに何がわかるんですか」

「分かるよ。大体男ってそんなもんだから。ねえ、もうキミさ、その人のこと諦めたほうがいいんじゃない?」

「は……何で青柳さんにそんな事言われないといけないんですか‼︎イツキはそんな人じゃない!何も知らないのに……そんな事言ってふざけないでください‼︎」


〝大体男って、そんなもんだから〟

〝諦めたほうがいいんじゃない?〟


青柳さんの言葉に、無性に腹が立った。腹が立って仕方がなかった。

私は、社内だというのについ大きな声を出してしまって社内中の視線を浴びてしまったけれど、そんなものも気にならないくらい苛立っていた私はまた口を開いた。


「わ、私だって……諦められたらとっくに諦めてます……‼︎それが出来ないから辛いんじゃないですか!それが出来ないから……っ、だから……」


ボロボロと涙が零れ落ちる。

イツキのことを悪く言われたこと、それから、諦めろと言われてしまったこと。

青柳さんの言葉は間違っている。だけど、完全な不正解でもなくて……だから、ムカついて、悔しくて、涙が出た。

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