男な女と女な男
日差しのキツい高校2年の初夏。
セミがこの上なく煩く力一杯鳴いている。

「うぁー!!!マジでうっさい!瑠実!ちょっとこのセミ共黙らせろよ…くそ暑い上にセミの鳴き声…イライラするっ!!!」

放課後の屋上で吠える樹里。

「も~そんな事言ったってあたしにはど~しようも出来ないよ!!」

樹里と一緒に屋上で座って下敷きで仰いでいるのは宮村瑠実-ミヤムラルミ-

樹里の幼なじみだ。

「っていうか…あいつら遅いッ!!!!女をこんな夏のあっつい屋上で待たせてんじゃねーよ!」

そう。樹里と瑠実がこんな暑い中屋上には訳がある。
中学の時から一緒にいる仲間と毎日屋上に集合する事になっているためだ。
もちろん,瑠実も中学からの仲間だ。

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