男な女と女な男
「お前なぁ…。まっ,別に俺は樹里さえ戻って来てくれればそれでいい。」

「瑞樹~…ライバル視すんのは分かっけど,樹里だけって…」

「俺は輝は嫌いじゃない。でも,ライバルはライバルなんだよ。」

ふいっと2人から視線を外す瑞樹。

「…。樹里争奪戦だぁ♪」

にぱっと少し間をおいて笑いボソッと呟いた藍那だった。

「頼むから考えてくれ…」

秀の思いも虚しく,今日の会議はここまでとなった。













「忘れもの忘れもの!!」

放課後,忘れ物をした事に気がつき樹里は廊下を走っていた。

タッタッ…タッ…―

教室の手前に来て走っていた足が止まる。

樹里の目には瑠実と輝の姿があった。

しかも何やら親密そうに。

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