男な女と女な男

｢そっか…まぁ,俺もかなり本気だけどな｡｣

｢…うん｡分かってる｡ライバル…なんだよね｡｣

｢おう!良きライバルになろうぜ!｣

ガシッと輝の肩を抱く｡

｢わぁっ!!!良き…ライバル???｣

｢お互いを高めあえるライバルって意味!!｣

｢うん…｡｣

瑞樹の明るい笑顔とは対照的に暗く,しゅんとする輝｡

｢あ?どうしたんだよ｡そんな,しゅんとしやがって｡｣

｢え…,あ,いゃ,僕の負けだなって…｡｣

｢俺もそう思う｡｣

弱気な輝の発言に瑞樹が強くそう言った｡

｢えっ…｣

｢自分から負け宣言するような相手に自分が負けるなんて思えるかよ｡｣

｢…そうだね｡｣

｢けどよ…｡結局は樹里が選んだ奴なんだよ｡だから俺らが勝ち負け言った所でどうにもなんねーんだから,負け宣言なんてすんじゃねーよ｡｣