Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】

「何怒ってんだよ」

「怒ってないし!」


邪気を追い払おうと頭を左右に振り、再びベッドの上をゴロゴロと転がる。


……駄目だ。十夜に近付いたら乙女らしからぬ妄想に脳内が支配される。

十夜に近付くべからず、だ。



「オイ」

「あたしに話しかけないで!」


今必死に邪気を追い出してるんだから!


「髪の毛」

「後で!」


っていうか服着て!服!


「なんで?」

「ちょ……!」


だからなんで近付いてくるのよ!


ジリジリと近付いてくる十夜から逃げようと、さらに転がる。


──が、ベッドは狭い。

直ぐに追い詰められてしまった。


「じ、自分で乾かしたらいいじゃん!」

「………」

「な、なに?」

「俺、」


十夜のその言葉にゴクリと喉奥が鳴る。


「お前に乾かして貰うの好き」

「……っ、」


ボンッ!


「か、乾かせて頂きます」


今、絶対心臓爆発した。





そんなこんなで、今十夜の髪の毛を乾かしているあたし。


十夜には乾かす事を条件に服を着てもらった。


じゃないとまた邪な妄想に支配されてしまうからね。

服さえ着てもらえばこっちのモンだ。


っていうか。


「十夜、髪の毛伸びたね」


相変わらずサラサラの黒髪。


真っ黒な髪の毛は少しも傷んでなくて、触り心地は抜群。


不良なんてしてるのに十夜はなんで髪の毛を染めないんだろう?


まぁ、不良だからと言って染める必要はないんだけど。


っていうか、あたし的には染めないで欲しい。


十夜には黒髪が一番似合ってると思うから。
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