Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
寝転がっているあたしに覆いかぶさる様に身体を寄せてくる十夜。
ふわり、とシャンプーの香りが滴り落ちる雫と共にあたしの首元へと落ちてきて、ツゥ、と肌の上を滑っていく。
「とととと十夜!?」
どれだけ動揺してんの!?と今すぐ突っ込みたいけれど、正直今のあたしにはそんな余裕無い。
さっき妄想したばかりの肉体美がすぐ目の前にあって、しかも十夜の真っ直ぐな瞳があたしを刺さんばかりに見下ろしているなんて、そんなの動揺しない方がオカシイと思う。
「凛音」
「は、はい」
「髪の毛」
「……へ?」
髪の毛?
「乾かして」
「は?」
思わず目が点になるあたし。
そんなあたしを余所に、十夜は何事もなかったかの様に身体を起こしてベッドの端に腰掛けた。
な、何なの!?
再沸騰していく顔の熱と共に、妙な羞恥心が身体中を駆け巡っていく。
バカヤロー!!
ガシガシとバスタオルで頭を拭いている十夜の背中に思いっきり枕を投げ付けると、
「……オイ、」
「知らないっ!」
十夜は訳が分からないとでも言いたげに顔をしかめた。
期待したあたしが馬鹿だった。
……って違う違う!期待なんかしてないんだからっ!