Ri.Night Ⅴ ~Final~【全完結】
「アンタ……優に何したの!?」
痙攣しているように見える優音は、あたしの呼びかけに応えるのも億劫なのかこちらを見ようともしない。
そんな優音の痛々しい姿を見て、あたしの中にどす黒い感情が芽生えた。
そんなあたしの心を知ってか知らずか、シンが口端に弧を描きながらポケットに手を突っ込む。
「何って、“コレ”だよ“コレ”」
「……っ、それって……」
ポケットから出したのは、犯罪に使われたり女性の人が護身用に持ってたりするスタンガン。
それは、あまり機械に詳しくないあたしでも知っている危険なもの。
それを優音に使っただなんて……。
「許さないっ!!」
怒りで拳が震える。
今すぐにでもコイツを叩き潰したい。──けど、今の状況が不利だという事は馬鹿なあたしでも分かっているから、怒りの矛先を自分の拳に向ける事しか出来ない。
手のひらに食い込む爪が、胸中に渦巻く怒りを更に助長させる。
「……ハッ。許さない、ねぇ。……で?どうする訳?」
「………」
「この人数じゃどうにも出来ねぇよなぁ。っていうか、お前も今から“コレ”の餌食になって貰うし」
「……っ」
「……ハハッ。面白れぇ。お前にも怖いものがあるんだな」
突き出されたスタンガンに一瞬怯んだあたしを見て、至極楽しそうに笑うシン。
その笑みに立ち向かう様にギリッと下唇を噛んで睨み付ける。
「──クソが。その目が気に入らねぇんだよ」