雪降る夜に教えてよ。
***



そんな経緯があって、佳奈の叔父さんの所有する、海沿いにあるロッジ風のコテージに着いていた。

「もっとこじんまりしたロッジかと思ったけど、けっこう大きいんだね」

「叔父さんは住むつもりだったらしいですよぅ」

佳奈はニコニコと言って、車から降りてコテージの鍵を開ける。

確かにロッジと言うよりは、一戸建てみたいな大きさの佇まいをしていた。

「ちなみに、桐生さんたちの部屋は一階の奥ですから。ベッドもばっちり大きいですから多少暴れても大丈夫だよぅ」

「えっ!?」

素っ頓狂な声をあげた私に、佳奈と夏樹くんはニヤニヤと笑う。

「二階は私たちの愛の巣だから、きちゃだめだよぉ~?」

きちゃダメって。こっちだってダメだわ!!

「ちょっ……!」

仲良く手をつないで入っていく二人を追おうとして、いきなりフワリと視界が変わって瞬きをする。

「落ち着きなよ」

「落ち着けません!」

だいたい、桐生さんにまた片手で抱えられているし。これで落ち着けたらスゴイと思うんだけれど!

「一応、これはある意味で想定内だから」

桐生さんは私を抱えたまま、そのままどんどんコテージに入って行って、一番奥の部屋を開けた。

「やっぱりだな」

目の前にあるのは確かに大きなベッド。でも二つ。
お洒落で落ち着いた色合いのベットカバーが掛かっていた。

「佳奈ちゃんが君の嫌がることをするはずがないし」

片方のベットに下ろされて、頭をポンポンと叩かれる。

「俺だってそれは一緒だしね? 期待しているなら別だけど」

ニヤッと笑われて、息を飲んだ。

や。なんて言うか。それこそ、相手は妙齢の男性で。しかもキス魔だし抱きつき魔だし、それなりのご経験も積んでいらっしゃる様だし。

あーもう。なんか最近いろんな事を看破されてるし。

私って、思っていたより子供を抜け切れてない気がする。
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