湖都子のポエム4

暗闇にさす光

誰も信じられなくなっていた
全てに嫌気がさしていた時
彼女に出会った

不安は消えないけど
彼女の優しい声
大丈夫って言ってくれてるような

彼女が笑ってくれるならそれでいい
彼女が笑ってくれるからオレも笑顔になれる
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ただ、ぼーっとして日々を過ごしていた。

誰にも会いたくなかった。誰も信じられなくなっていた。病院の人と、父さんだけ…何をする気にもなれず、全てに嫌気がさしていた。生きてはいるけど、心に真っ黒い塊が落ち、心が粉々に砕けていた。

そんな時、父さんが誰かを連れてきた。心の中で、誰にも会いたくないって思っていた。

「蓮くんのお父さんに、入院したって聞いてお見舞いにきたんだけど、迷惑だったよね。すぐに帰るから…これ、部活で作ったマドレーヌなの。よかったら、食べてね。」
いつもの優しい声…感情なんてなかった心に小さな灯りが灯る。心の中の闇を照らしてくれていた。琴里の笑顔を見た瞬間、俺の気分は一気に晴れた

心を閉ざし、誰も信じられなかったのに、琴里の言葉を聞いて…こんなに心が満たされるなんて…

「わざわざ、ありがとう。もう帰るの?」
「お見舞いにきただけだから…」
「まだ時間があるなら…」
「え…時間は大丈夫だけど…」
「せっかくマドレーヌ持ってきてくれてし、一緒に食べよう」
のんびり流れる時間。琴里の笑顔に癒やされたんだ。琴里の笑顔がドキッとするほどかわいくて、思わず見とれてしまう。穏やかな時間が流れ、心が温かくなる。

今日、この日がずっと終わらなければいいのにな…と、考えてしまう。本当にずっと続けばいいな。琴里と過ごす最高に幸せな時間を思い返しながら、1人でそっと微笑む。今更だけど、また琴里と一緒にいられることが信じられない

寒さなんて感じないくらい、嫌なことを忘れるくらい、心が温かい。俺の真っ暗だった心に、光がさした。

琴里に逢うまでは、最悪な気持ちだったのに、そんなことは忘れてしまっていた。

幸せになれるか、つまらなくなるかは、俺次第なんだ。落ち込んでたって、何も始まらない。これからは幸せになりたい。琴里の笑顔を見ていたら、自然と笑顔になれた。

琴里がいてくれたら、立ち直れそうな気がした

琴里に会わなければ、きっと…




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