湖都子のポエム4
過ぎた事実…

過ぎた事実…
オレは何も知らなかった

彼女を失って
どんなに嘆いても戻れない

事実を知るほどに
オレの知らない事実が存在した
事実は絶望を含んでいた
何が現実なの?

彼女の悲しそうな顔を見るまで
気づかなかったんだ

恋って楽しくて幸せだと思ってた
だけど切なくて辛いものだった

変わることのない日々
彼女の中でとっくに終わってたんだ
イヤだ…終わらせないで
オレのことを忘れてしまわないで

彼女のことを忘れて生活していくなんて
イヤだよ
こんなに何日も離れていて平気なの?
ずっと一緒にいたのに…
オレ達が終わるわけないって信じていた

彼女のこと何も知らずにいた
悲しいことも怖いことも何も知りたくない
見ないふりをすれば知らないのと同じ
ずっとあの頃のままなら良かったのに…
----------------------------------------------
幼なじみの琴里が離れていった頃から考えていた。琴里と過ごした過去も含めて、全部好きだから、琴里がいないここに、俺の居場所はないんだ。琴里とずっと一緒にいたかった。俺はやっぱり琴里が好きなんだ。

友達と一緒に過ごして気付いた。琴里のいないここにいたくない。女の子と話していると…前から遊んだことのある女がきた
「誰?友達?馴れ馴れしく話さないでよ。なんで?どうして?そんな子に構うの?」
「お前に関係ないだろ…」
琴里以外の女なんて、どうだっていい
「それじゃ、私は…?私を好きなんでしょ?いつも優しくしてくれたものね…」ウフフ
「俺が好きなのは、琴里だよ」

周りがざわつく。なんなんだよ…
「お前らつきあってんだろ?」
「付き合う?好きな子がいるのに?」
「彼女できたから、幼なじみとしてでも会わないでって…琴里言われたって、杏里が聞いたって。」
「そんなこと言うわけないだろ。だったら、琴里に会いにバイト先行ったりするわけない…」

「どういうこと?」
「かわいそうに、そんな心にもないこと…そこまでしないと、私のこと忘れられないのね…かわいそうに…」
「忘れるも何も、お前なんかどうでもいい…」
「あのさ、幼なじみの子って、前に会った子だよね?高校別々になったのに、馴れ馴れしく話しかけてきてうざい。彼女できたから、会わない…って、聞いてたんだけど。」
俺の知らないところで、そんなこと言われてたなんて。
「俺だけとのことなら我慢したけど、琴里に手を出されたら…許さない。今までのこと、水に流す気なんてないから、覚悟して。」

そのまま、俺の知らなかったことが暴かれていって…胸が痛い。どうしよう…どうすればいいの?あぁ…もう不安ばかりが募っていく。琴里のことを傷つけていたと思うと、琴里に嫌われたらどうしよう。それとも、琴里はもう俺のこと嫌いになったのか?あぁ、もうこんな自分がすごいイヤ

俺の思考は、琴里中心。琴里以上に好きになれるオンナは、もう現れない。一生に一度の恋。琴里が笑ってくれたら幸せだね。幸せにしたいと思える人。だけど、琴里を傷つけたのは俺なんだ。

少しの間違いが、未来を大きく変えてしまったんだ。俺の見た夢は…たくさんもがいて苦しんで、それでも前に進むしかない。だけと、1人だけ取り残されているような不安と焦りが日に日に大きくなっていく。

琴里が好きって気付いたのは、もう随分前のこと。でも、言えなかった。素直じゃない俺は素直になれなかった。それでも、愚かなことを考えてしまう。もし、素直になれてたなら、琴里の隣にいられた?まだ間に合う?

琴里に会いに行った。目が合えばドキッとしてしまった。今までのことを伝えて、今の気持ちを伝えた。「私は好きじゃない」はっきりと言われたけど、あきらめらんねー

「お願いだから、もうほっといて。私はもう一緒にいたくない。だから、私にかまわないで」
そんなこと言われても、俺は終わりにできないんだ。キリがない後悔。忘れる必要なんてないんだ。俺は忘れるなんてできない。俺は決して忘れない。


< 93 / 141 >

この作品をシェア

pagetop