白い願い

「貴方は…………」

ある日将来の事も考えていた時、ふと自分の想いを君に伝えた。

外はとても穏やかな陽射しでボク等の部屋に入り込んでいた。

「そんな事しなくていいの」

「え?」

「貴方は貴女のままで居てくれたらいいの。それだけで私は幸せだもん」

と言って君は初めて会った時のようにボクに微笑みボクの肩に頭を乗せて続けた。

「でもありがとう。こんななんの取り柄も無い私のことを」

「……………」

「だけど本当に貴方は何にも成らなくていいの。光に成らなくてもイイし、道標にも成らなくてもイイ。ただこんな風にいつもみたいに中身の無いような笑い話をして他愛もない会話をして意味の在る喧嘩をして愛を確かめる為に抱き合う。それだけでいいの」

「それじゃぁ………」

「それでいいの。何にも成らなくていいのよ貴方は。ただ私とこうやって手を繋いでも幸せだと感じなくなるまで傍で近くに居てくれるだけで……それだけで………」

そう言うと満足気に軽く笑い一定の呼吸になる。

テンポ良く、崩れずに。

夢へと落ちた君を見て口元が緩む。

「やっぱり敵わないや」
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