めぐり逢えたのに
気がつけば、佐々倉は遠慮のないずけずけとした物言いで、私の方も、かなり際どい本音をずばずば言っていた。
この際だから、はっきりさせておきたいことがある。

「もう一つ、気になってる事があるんだけど。」
「何」
「子作り。どうする。」
「したいかしたくないか、ってこと? それとも欲しいか欲しくないかってこと?」
「両方。」
「いや、オレには恋人がいるからなー……」
「じゃ、子どもも無理ってことじゃない。」
「欲しいの?」
「多分、いずれは。っていうか、作らなかったら外野がうるさいんじゃない。」
「じゃあ、具体的にどちらかが欲しくなった時点で話し合うってことでどう?」 
「それまではナシってことね?」

私は念を押した。

「一応。」
「一応?」
「君がしたかったら、オレは付き合うのにやぶさかじゃないけど。」
「彼女はどうするの?」
「もちろん内緒で。」
「やっぱりあなたのことは信用出来ない。」

私の怒気に気付いたのか、佐々倉は、冗談だよ、とばかりにぷっと吹いた。

「男はそんなもんじゃないの。」

軽くいなされてる感じが余計に腹が立つ。
 
「そうそう、彼女との子どもは絶対認めないから、作らないでね。作ったら、マジで嫌がらせするからね。」
「そんな。間違いってこともあるだろう?」
「じゃ、手術でしばって。」
「君が子ども欲しくなったらどうするんだよ。」
「大丈夫。元に戻せるから。」
「………」
「できないなら、この結婚は白紙よ。」

結局、私は佐々倉に同意させた。恋人はともかく……、子どもというのは勘弁して欲しい。佐々倉は、はあ、とまたため息をついた。

「彼女、この条件で同意してくれるかな……。」
「何が。」
「僕と付き合う事。」
「そんなこと、知りません。」

佐々倉もおかしな人だった。

「ね、あなたの恋人ってどんな人なの?」



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