めぐり逢えたのに
「順調にいってるみたいだね。」
「ありがとうございます。でも、佐々倉さんがお見えにならないので、寂しかったです……。」

営業トークもそれなりに板についてきたようだ。
何とかやっているようなので、安心したが、最初にみた時のような初々しさがないのがちょっと残念なような気もする……。最も、キャバ嬢に初々しさを求めるのがお門違いなのかな、と佐々倉は心の中で苦笑した。

それでも、あみちゃんはやっぱりどこか控えめで遠慮がちな女の子で、佐々倉は人ごとながら、こんな性格でキャバ嬢としてやっていけるかと心配になってしまう。

そんなことが気になった佐々倉は、あみちゃんに会いに、定期的にお店を訪れるようになっていた。お店で会って楽しく飲めればそれで良かったし、駆け引きしたり、きゃぴきゃぴするのが苦手そうな彼女が無事にやってるところが確認できればそれで安心だった。

そんな風にして一年近く経ったころだろうか、お店に行ってみれば、あみちゃんは辞めたとボーイに聞かされた。佐々倉が驚いた様子を見せると、ボーイの方が返って驚いた顔をした。





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