めぐり逢えたのに
初めてお給料が出た日、しおりはお金を握りしめて、日本橋の越五屋に向かった。
こんなに綺麗で高級そうなデパートに入るのも買い物をするのも初めてでひどく緊張したけれど、佐々倉さんに似合うものを買いたかったから、わざわざこんな遠くまで歩いて来たのだった。
店内から漂ってくる香りが、しおりの知っているような店のそれではない。
買い物客も高そうなバッグを持ち歩いて、越五屋の紙袋をいくつも抱えている人もいてすっかり萎縮してしまった。おろおろしていると、後ろから柔らかい声が聞こえた。
「お客様、大丈夫ですか?」
デパートの受付嬢だった。
「あ……、いえ、あの……。」
「何かお探しですか?」
「はい、あの……、プ、プレゼントを探しているんですけど……」
しおりは思い切って彼女に相談することにした。
「あたし、こんなすごいところに来るの、初めてで、何を買ったらいいのか、わからなくて困ってるんです。」
「どんな方に差し上げるプレゼントですか?」
「佐々倉さん、……じゃなくて、35歳ぐらいの男の人…。」
「カレシかな?」
「いえいえ違います! そんな、私なんか、佐々倉さんなんかと付き合ってもらえません!!」
しおりはブンブンと手を振った。
こんなに綺麗で高級そうなデパートに入るのも買い物をするのも初めてでひどく緊張したけれど、佐々倉さんに似合うものを買いたかったから、わざわざこんな遠くまで歩いて来たのだった。
店内から漂ってくる香りが、しおりの知っているような店のそれではない。
買い物客も高そうなバッグを持ち歩いて、越五屋の紙袋をいくつも抱えている人もいてすっかり萎縮してしまった。おろおろしていると、後ろから柔らかい声が聞こえた。
「お客様、大丈夫ですか?」
デパートの受付嬢だった。
「あ……、いえ、あの……。」
「何かお探しですか?」
「はい、あの……、プ、プレゼントを探しているんですけど……」
しおりは思い切って彼女に相談することにした。
「あたし、こんなすごいところに来るの、初めてで、何を買ったらいいのか、わからなくて困ってるんです。」
「どんな方に差し上げるプレゼントですか?」
「佐々倉さん、……じゃなくて、35歳ぐらいの男の人…。」
「カレシかな?」
「いえいえ違います! そんな、私なんか、佐々倉さんなんかと付き合ってもらえません!!」
しおりはブンブンと手を振った。