めぐり逢えたのに
それまで、ずっと黙っていたしおりさんが顔をあげて、佐々倉のお義母さんの顔をまっすぐ見返した。
私はそのとき初めてしおりさんの顔を正面から見たのだが、しおりさんの凛としたその表情はとても美しかった。
「……わかりました。直樹さんとは別れます。あたしは、もう二度と直樹さんに会うことはないでしょう。」
佐々倉のお義母さんも尖った表情を崩さず、しおりさんをじっと見返していた。
「お話のわかる人で助かりました。約束ですよ。二度と直樹と会わないで下さい。」
「分かっています。」
しおりさんの言葉を聞くと、お義母さんはすっと立ち上がって何事もなかったかのように、私の家を出て行った。出て行く時に、私の顔をちらとみると、口の端をすこしだけ持ち上げて「ごきげんよう、万里花さん。」とだけ挨拶をした。
私はそのとき初めてしおりさんの顔を正面から見たのだが、しおりさんの凛としたその表情はとても美しかった。
「……わかりました。直樹さんとは別れます。あたしは、もう二度と直樹さんに会うことはないでしょう。」
佐々倉のお義母さんも尖った表情を崩さず、しおりさんをじっと見返していた。
「お話のわかる人で助かりました。約束ですよ。二度と直樹と会わないで下さい。」
「分かっています。」
しおりさんの言葉を聞くと、お義母さんはすっと立ち上がって何事もなかったかのように、私の家を出て行った。出て行く時に、私の顔をちらとみると、口の端をすこしだけ持ち上げて「ごきげんよう、万里花さん。」とだけ挨拶をした。