めぐり逢えたのに
だからいきなりそんなことを言われて、内心では「はい」というべきか、「いやだ」というべきなのか見当もつかなかった。
私が想像していた男の人と付き合う、というのは、一緒に学校から帰ったり、ハンバーガーを食べたり、ラインでたわいないチャットを送り合ったり、それから手をつないだり、そういうことをするものだと思っていた。
マンガや映画の見過ぎなのかもしれないけど、女子高生の恋って、そういうものだと思っていた。私は、相手と会話もしたこともないし、よく考えれば名前さえしらない。そんな相手と全てをすっ飛ばして「はい」なんて言っちゃっていいのだろうか。
だけど、潔く「いやだ」という勇気もなかった。だって、もし「いやだ」と言って、拒絶されたら一巻の終わりだと思ったのだ。
名前も知らない、どこの誰なのかもわからない、ケータイの番号さえ教えてもらってない相手に嫌われたら、二度と会えないだろう。
私は、どこの誰かもわからない、どんな人かもわからないこの彼を、誰よりも好きになってしまっていた。
あの笑顔を見た瞬間、あの声を聞いた瞬間に、私は恋に落ちたのだ。
私が想像していた男の人と付き合う、というのは、一緒に学校から帰ったり、ハンバーガーを食べたり、ラインでたわいないチャットを送り合ったり、それから手をつないだり、そういうことをするものだと思っていた。
マンガや映画の見過ぎなのかもしれないけど、女子高生の恋って、そういうものだと思っていた。私は、相手と会話もしたこともないし、よく考えれば名前さえしらない。そんな相手と全てをすっ飛ばして「はい」なんて言っちゃっていいのだろうか。
だけど、潔く「いやだ」という勇気もなかった。だって、もし「いやだ」と言って、拒絶されたら一巻の終わりだと思ったのだ。
名前も知らない、どこの誰なのかもわからない、ケータイの番号さえ教えてもらってない相手に嫌われたら、二度と会えないだろう。
私は、どこの誰かもわからない、どんな人かもわからないこの彼を、誰よりも好きになってしまっていた。
あの笑顔を見た瞬間、あの声を聞いた瞬間に、私は恋に落ちたのだ。