きみと、春が降るこの場所で
気象情報を逐一チェックして、プレゼントの用意も済ませた24日の夜。
思わぬ人からの着信が来て、慌てて通話に繋げる。
「あ、彰さん?どうしたんすか」
明日の昼頃に俺を迎えに行く、という話は先日したはずなんだが。
もしかしたら、時間をズラすとか、そんな事かもしれない。
『朔くん、悪い。明日急な仕事が入った』
「はっ、え!?いやだって、休みって言って…詞織はどうするんですか」
12月、それもクリスマスに仕事って。
十分ありえる話だ。俺の父親も年末までぎっしり仕事が入っている。
『遅くなるから、時間外で少しだけ会うよ。すまない、昼間は朔くんが一緒にいてやってくれないか』
「それは…はい。昼過ぎには行きます、けど」
詞織が寂しがるんじゃねえかな、と思ったけれど、彰さんに無理は言えない。
詞織だって、仕事ならそっちを優先してって言うだろうな。多分、寂しくても。
『明日は雪が降るらしいから、暖かくして行くんだよ』
「彰さんも、風邪引かないで下さいね」
通話を切って、布団の上に脱力する。
マジか。
詞織と2人なのが嫌なわけではないけれど、昼間から行くのは初めてなんだ。面会ギリギリまで居るとして、何をすればいいんだよ。
「あーー!彰さんのアホ!」
決して本人には言えない幼稚な暴言を吐いて、少しスッキリする。
詞織の部屋にあったような遊び道具があればいいが、俺が持っているのは携帯ゲーム機くらいだ。それもソフトはアクションゲーム。