【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
扉を開けると同時に、カランコロン――と心地良い鈴の音が響く。津田部長の肩越しに、フワッとコーヒーのいい香りが私の横を通り過ぎた。
「……わぁっ!」
一歩足を踏み入れるとそこは、こんな都心のど真ん中とは思えない様な、レトロでどこか懐かしい雰囲気のお店だった。
お店の中をグルッと見渡す。調度品はブラウンでシックに纏められ、店内には邪魔にならない音量でジャズが流れている。コーヒーの香りとその見た目が、純喫茶を思わせた。
(あ、でも……)
よくよく見てみると、カウンターの向こうにお酒が並んでいる。表の看板?にも書かれていたけど、ここは『昼はカフェ、夜はバー』になるお店なのだろう。
「あら、雪ちゃん。いらっしゃい♡」
突然声がして、カウンターの下からヒョコッと一人の男性が顔を覗かせた。
『雪ちゃん』?……あ、『津田雪哉』で『雪ちゃん』か。
よいしょと言いながらその人が立ち上がる。
歳は津田部長と同じか、少し上くらいだろうか。短髪黒髪で、耳には鮮やかなルビーのピアス。背丈は津田部長と変わらない位あって、大きい。
「……わぁっ!」
一歩足を踏み入れるとそこは、こんな都心のど真ん中とは思えない様な、レトロでどこか懐かしい雰囲気のお店だった。
お店の中をグルッと見渡す。調度品はブラウンでシックに纏められ、店内には邪魔にならない音量でジャズが流れている。コーヒーの香りとその見た目が、純喫茶を思わせた。
(あ、でも……)
よくよく見てみると、カウンターの向こうにお酒が並んでいる。表の看板?にも書かれていたけど、ここは『昼はカフェ、夜はバー』になるお店なのだろう。
「あら、雪ちゃん。いらっしゃい♡」
突然声がして、カウンターの下からヒョコッと一人の男性が顔を覗かせた。
『雪ちゃん』?……あ、『津田雪哉』で『雪ちゃん』か。
よいしょと言いながらその人が立ち上がる。
歳は津田部長と同じか、少し上くらいだろうか。短髪黒髪で、耳には鮮やかなルビーのピアス。背丈は津田部長と変わらない位あって、大きい。