【改訂版】ワケあり上司とヒミツの共有
津田部長はまだ来ていない様だった。
「良かった」
初デートで上司を待たせる訳にも行かない。
ホッと胸を撫で下ろし何気なく顔を上げると、左側の通路から赤い車がこっちに向かって走って来る。凄い車だなぁ。なんて思いながら見ていると、その赤い車は私の目の前に停車した。
(え?もしかして……)
運転席が見えたので中を見てみると、そこにいたのは津田部長だった。スポーツカータイプのビッカビカに磨かれたその車から降りて来たのは、確かに津田部長。
しかし……。
(そっちだったか……!!)
と、その姿を見た瞬間、私は心の中で頭を抱えた。
オールバックの髪型は黒髪ロングストレートに。銀縁オシャレ眼鏡はこれまたビッカビカ真っ黒のサングラスに。ビシッと着こなすスーツはオレンジのマキシ丈ワンピに変貌を遂げていた。
「おはよう。ごめんなさい、待たせちゃった?」
黒髪ロングストレートが朝の爽やかな風になびく。
「……おはようございます。いえ、時間通りです……」
今更、気合いを入れまくった自分が恥ずかしくなって来た。今までの行動が全て男らしさ全開だったから忘れていたけど、津田部長はオネエだった。
デートって言うからてっきり……って、残念になんて、思ってないからね!?
「じゃあ、乗って」
「はい」
津田部長が助手席のドアを開けてくれたので、「ありがとうございます」と言って乗り込んだ。車の中はすごく良い匂いがする。
「さて、アタシの行きたい所で良いかしら?」
「あ、はい。構いません」
「そう?行きたい所があったら遠慮なく言ってね」
「はい」
車が動き出す。
「天気が良くて良かったわ~。雨とかだったら最悪だものね」
チラッと横目で見た津田部長は、表情も声も、心なしかウキウキしていた。
「そうですね」
窓から空を見上げると、雲一つない青空が広がっている。
「良かった」
初デートで上司を待たせる訳にも行かない。
ホッと胸を撫で下ろし何気なく顔を上げると、左側の通路から赤い車がこっちに向かって走って来る。凄い車だなぁ。なんて思いながら見ていると、その赤い車は私の目の前に停車した。
(え?もしかして……)
運転席が見えたので中を見てみると、そこにいたのは津田部長だった。スポーツカータイプのビッカビカに磨かれたその車から降りて来たのは、確かに津田部長。
しかし……。
(そっちだったか……!!)
と、その姿を見た瞬間、私は心の中で頭を抱えた。
オールバックの髪型は黒髪ロングストレートに。銀縁オシャレ眼鏡はこれまたビッカビカ真っ黒のサングラスに。ビシッと着こなすスーツはオレンジのマキシ丈ワンピに変貌を遂げていた。
「おはよう。ごめんなさい、待たせちゃった?」
黒髪ロングストレートが朝の爽やかな風になびく。
「……おはようございます。いえ、時間通りです……」
今更、気合いを入れまくった自分が恥ずかしくなって来た。今までの行動が全て男らしさ全開だったから忘れていたけど、津田部長はオネエだった。
デートって言うからてっきり……って、残念になんて、思ってないからね!?
「じゃあ、乗って」
「はい」
津田部長が助手席のドアを開けてくれたので、「ありがとうございます」と言って乗り込んだ。車の中はすごく良い匂いがする。
「さて、アタシの行きたい所で良いかしら?」
「あ、はい。構いません」
「そう?行きたい所があったら遠慮なく言ってね」
「はい」
車が動き出す。
「天気が良くて良かったわ~。雨とかだったら最悪だものね」
チラッと横目で見た津田部長は、表情も声も、心なしかウキウキしていた。
「そうですね」
窓から空を見上げると、雲一つない青空が広がっている。