初恋を君に

総務課は会議室の1つ上なので
階段を使うが、企画課は5階なので
階段のすぐ横のエレベーターに向かう。


エレベーターを降りるとすぐに営業課で
少し左奥に進むと企画課がある。
やはりこの階は男性が多い。


営業課のオフィスの少し奥で
片岡が私に気づき目線を送りながら
声を出さずに何か言っている。


『スカート』と声を出さずに
口をパクパクとした後、親指を立てた。


えっと…どうやら…スカートいいね。と
言っているらしい。


恥ずかしいが褒めてもらっているので、
こちらも声を出さずに、ありがとうと
答える。


そんなやり取りを周りの社員が見ているのでそれも恥ずかしい限りだ。


おずおずと歩みを進め企画課へ向かう。


「文ちゃん。どうかした?」


企画課の戸川百合子(とがわゆりこ)さんが声を掛けてきた。


百合子さんは私達の一つ上で
いわゆるデキル女だ。
バリバリ仕事をこなし、
綺麗で色気があり、
言うことなしな女性である。


上条を本気で落とそうとしているらしい
と随分前から噂になっている。


実際のところは、分からない。
もしかしたら…


「文ちゃん?」


「すみません!これ持ってきたんです。」


持ってきたポップを少し持ち上げる。
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