彼女のことは俺が守る【完全版】
でも、海斗さんの帰りが延期になったメールを見てから、寂しいと思った気持ちに慣れることはなかった。今度会った時に自分の心にどんな思いが沸き起こるのかわからないけど、きっとその時にずっと考えていた答えが心に浮かぶ気がする。
寂しいと思う気持ちと、会いたいと思う気持ちがグルグルと私の中で回っていた。
それは海斗さんが京都のロケに行って三週間目に入った木曜日のことだった。
その日は仕事も落ち着いていて、自分の中での段取りで、定時には会社を出れる感じだった。目の前に座る竹中さんも今日は穏やかに仕事を熟している。そんな竹中さんがパソコンから視線をあげるとニッコリと微笑んだ。
「ねえ、藤森さん。よかったら食事に行かない?美味しい和食の店を見つけたの」
「ごめんなさい。今日は帰りに寄らないといけない所があるんです」
美味しい和食と聞いて正直、心が揺れた。でも、今日は前に住んでいたマンションの補修が終わったということで点検と鍵の返却をしないといけないようになっている。時間にして10分程度のことだけど、これが終われば区切りにもなるから先延ばしにしたくなかった。
「そうなの。じゃ、また今度」
「すみません」
定時になり、時間通りに営業室を出ることが出来た私は自分の住んでいたマンションに向かうことにしたのだった。
寂しいと思う気持ちと、会いたいと思う気持ちがグルグルと私の中で回っていた。
それは海斗さんが京都のロケに行って三週間目に入った木曜日のことだった。
その日は仕事も落ち着いていて、自分の中での段取りで、定時には会社を出れる感じだった。目の前に座る竹中さんも今日は穏やかに仕事を熟している。そんな竹中さんがパソコンから視線をあげるとニッコリと微笑んだ。
「ねえ、藤森さん。よかったら食事に行かない?美味しい和食の店を見つけたの」
「ごめんなさい。今日は帰りに寄らないといけない所があるんです」
美味しい和食と聞いて正直、心が揺れた。でも、今日は前に住んでいたマンションの補修が終わったということで点検と鍵の返却をしないといけないようになっている。時間にして10分程度のことだけど、これが終われば区切りにもなるから先延ばしにしたくなかった。
「そうなの。じゃ、また今度」
「すみません」
定時になり、時間通りに営業室を出ることが出来た私は自分の住んでいたマンションに向かうことにしたのだった。