彼女のことは俺が守る【完全版】
 そして、そんな優斗が何気なく零した言葉が耳に残っていた。


『いい加減に決めないと』


 二カ月前のことである。


 私に言ったのではなく、自分に呟くような小さな言葉だったけど、私の心に衝撃を残したのは間違いなかった。私はいつしか優斗との『結婚』を夢見ていた。忙しくて会えないから、せめて一緒に住めば幸せな時間を過ごすことが出来るのではないかと…。一緒に歩いて行きたいと思っていた。


 会社で同僚の女の子と話すのもその話題が多く。実際に大学時代から付き合っている人と結婚すると見せてくれた指に輝くダイヤの指輪を羨ましくも思ったりもした。同僚の女の子を見ながら私は優斗との結婚を意識したし、もしも、私が結婚するなら優斗しか考えられなかった。


「なんの話かしら。もしかしたら結婚の事とか」


 約束している喫茶店でそんな甘さを孕んだ言葉を呟いてみる。


 お互いに社会人だし、優斗が28歳で私が24歳。少し若いけど、週末はずっと一緒に過ごしていたのだから、そう考えると夢ではなく現実になってもおかしくない。彼のことが大事だから、ずっと一緒にいて、色々なことをしてあげたいし、仕事が忙しい優斗を支えていけたらと思う。


 久しぶりに会う彼に私は心が躍る。

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