彼女のことは俺が守る【完全版】
 もしかしたら今日がプロポーズ記念日になるかと思うと…自然に顔が緩む。早く会いたい…そんな思いに包まれていた。


 この頃は電話とメールの日々だけど、優斗は何も文句も言わなかった。優斗に甘えていたのだと思う。理解ある優斗に甘えないで『もっと優斗のことを大事にしなきゃ』そんなことを思いながら喫茶店の窓際の席で優斗を待っていた。


 時間は六時になり、私がこのカフェに入って三十分が過ぎていた。


 クラシックの流れる店内は落ち着いた雰囲気で、駅前の雑多な人の溢れるカフェとは違う。一杯一杯を大事にしながら淹れるコーヒーは香り高く心を癒す。今からのことを考えると…緊張して仕方ない。とりあえずカフェオレを頼むといつもよりも砂糖を多く入れ甘めにした。甘いカフェオレを飲むと少しだけ気持ちが落ち着くような気がする。


 携帯のメールを開いてみると優斗からの時間の約束は五時半とある。約束の時間に間違いはない。でも、この頃私の仕事が忙しいから遅くなると思って優斗もゆっくり来ているのだろう。


 十分。二十分…時計の針だけは規則的に時を刻む。

 そして、後少しで六時半になる。約束の時間から一時間も経っていた。私は喫茶店に着いた時にメールを送っているから、私がここにいるのは知っているはず。


 メールは嫌いなのに遅れてくる時は必ずメールをくれる優斗なのに今日に限って何もメールが来ない。サプライズのようなメールの後には何もなかった。

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