彼女のことは俺が守る【完全版】

　私は自分の部屋にドレスを持って行ってから、またバスルームに戻った。そして、綺麗に髪を乾かしてから、化粧をすることにした。さっき、すっぴんの顔を見られているので今更とは思うけど、少しでも可愛くなりたくて化粧をする。雅さんのようには出来ないけど、それでも思い出しながら化粧をするといつもよりは可愛く出来たと思う。


「用意が出来ました」


　バスルームから出て、海斗さんのところに行くと、海斗さんはもう出る準備も終わっていた。ラフな普段着なのに、スタイルがいいからか、コーディネートされたように見えるのはちょっとズルい。シャツにジーンズというスタイルはごく普通なのに、普通に見えない。


「じゃあ、行くか？」


　海斗さんはタクシーで行くのかと思っていたけど、駐車場の向かって歩く。焼肉と言えばビールというくらいに男の人はお酒を飲むものだと思っていたけど、海斗さんは飲まないつもりなのだろうか？それとも代行で帰るつもりなのだろうか？


「海斗さんの車で行くのですか？」


「ああ。今日は飲まないから自分の車で行くよ」


「仕事があるのですか？」


「仕事はないけど、今日はゆっくりと焼肉を楽しみたいから飲まない。里桜は飲みたいなら飲んでもいいよ」


「私も飲まないので」