彼女のことは俺が守る【完全版】
「そうなんですね。でも、緊張してしまって」
「篠崎くんは里桜ちゃんのために頑張ると思う。だから、里桜ちゃんは何も心配せずに見ているだけでいいと思う」
「私のためですか?」
「そう。里桜ちゃんのため」
雅さんにその答えを聞こうとした瞬間、一気に画面が騒がしくなり、フラッシュの光で目を閉じたくなるくらいに眩さを感じた。目を顰めた瞬間、画面にはさっきの社長さんと海斗さんの姿が映った。社長さんの後に真っ直ぐに綺麗な姿勢で歩く海斗さんの姿は堂々としていた。
胸の奥がチクリと痛む。
私だけがこんなに守られた場所にいていいのだろうか?海斗さんの傍に居たいと思うのは迷惑でしかないのだろうか?
傍に行っても何も出来ないのは分かっているけど、気持ちが逸る。海斗さんの会見をこんなディスプレー越しではなく、近くで見たい。それは我が儘かもしれない。それでも、私は海斗さんの近くに少しでも行きたかった。
「雅さん。あの、ステージの傍まで行ってもいいですか?」
「もちろんよ。里桜ちゃんさえよければ一緒に行きましょう」
私が雅さんと一緒に会見場のステージの傍まで行くと、ディスプレー画面では感じられなかった報道の激しさを感じる。周りにいるスタッフらしき人も固唾をのんで見守っていた。その中には高取さんの姿もあり、緊張の面持ちでステージの上にいる海斗さんを見つめていた。
高取さんは私の姿を見るとゆっくりと頷き、少し場所を空けてくれる。そして、その横に立つと、司会が『篠崎海。結婚記者会見』の始まりを口にしたのだった。
「篠崎くんは里桜ちゃんのために頑張ると思う。だから、里桜ちゃんは何も心配せずに見ているだけでいいと思う」
「私のためですか?」
「そう。里桜ちゃんのため」
雅さんにその答えを聞こうとした瞬間、一気に画面が騒がしくなり、フラッシュの光で目を閉じたくなるくらいに眩さを感じた。目を顰めた瞬間、画面にはさっきの社長さんと海斗さんの姿が映った。社長さんの後に真っ直ぐに綺麗な姿勢で歩く海斗さんの姿は堂々としていた。
胸の奥がチクリと痛む。
私だけがこんなに守られた場所にいていいのだろうか?海斗さんの傍に居たいと思うのは迷惑でしかないのだろうか?
傍に行っても何も出来ないのは分かっているけど、気持ちが逸る。海斗さんの会見をこんなディスプレー越しではなく、近くで見たい。それは我が儘かもしれない。それでも、私は海斗さんの近くに少しでも行きたかった。
「雅さん。あの、ステージの傍まで行ってもいいですか?」
「もちろんよ。里桜ちゃんさえよければ一緒に行きましょう」
私が雅さんと一緒に会見場のステージの傍まで行くと、ディスプレー画面では感じられなかった報道の激しさを感じる。周りにいるスタッフらしき人も固唾をのんで見守っていた。その中には高取さんの姿もあり、緊張の面持ちでステージの上にいる海斗さんを見つめていた。
高取さんは私の姿を見るとゆっくりと頷き、少し場所を空けてくれる。そして、その横に立つと、司会が『篠崎海。結婚記者会見』の始まりを口にしたのだった。