彼女のことは俺が守る【完全版】
 凄い取り合わせだと思った。


 私をどん底に突き落とした『結婚式の招待状』の上に私を助けようという『篠崎海の名刺』。私はこの二つをどうしたらいいのだろうか?


「タイムリミットは明日の二十四時だよ。それ以上は待たない。俺は里桜からの連絡を待っているということだけは覚えておいて」


 篠崎海はニッコリともう一度綺麗な微笑みを私に向けると自分の腕時計を見て、一瞬残念そうな顔をした。


「そろそろ仕事に戻らないといけないな。またね。里桜」


 そういうと篠崎海は目の前に立つ。座っている時も背が高い人のように思っていたけど、目の前に立たれると本当に身長の高さが際立つ。そして、また綺麗な微笑みを浮かべながら私の座っているテーブルに置かれている伝票をスルリと抜き取ったのだった。


「自分で払うから」


 そう言った私に篠崎海はクスクス笑いながら私を見つめた。


「女の子は奢られてなさい。じゃあ」


 そういうと私の方を振り向きもせずにまっすぐに歩き、喫茶店を出て行った。残された私の目の前には結婚式の招待状と、その上に置かれた名刺。その名刺にはプライベートな携帯番号とメールアドレスが書かれていて、どう考えても現実とは思えない私はその招待状と名刺を見つめ大きな溜め息を零したのだった
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