彼女のことは俺が守る【完全版】
今日は何て日なのだろうか?


 私はそんな言葉を呟きながら、冷たくなってしまったカフェオレを飲み終わってから喫茶店を出ることにした。


 どうやって私は自分の部屋に戻ってきたのだろうと自分でも思う。


 バッグに結婚式の招待状と名刺を入れると喫茶店を後にしたのは覚えている。でも、どうやって自分の部屋に戻ってきたのか分からない。鍵を開けて自分の部屋に入ると一番先に目に入ったのは靴箱の上に置かれた優斗の煙草の入ったコンビニ袋だった。


 昨日、私は自分の部屋の買い置きが無かったことを思い出し、自分の夕ご飯をコンビニで買うついでに優斗の煙草を買った。帰ってきて、そのまま靴箱の上に置きっぱなしにしていた。大きな溜め息を零しながら自分の部屋を見回すと、あちこちに優斗と一緒に過ごした痕跡が色濃くある。


 三年も付き合っていたし、お互いのマンションを行き来もしてたから仕方ないのは分かるけど、それでも普段は気付かないのに改めてみると本当に私の生活の中に優斗が居たのだと思い知る。


 泊まっていく時に使う部屋着や下着は私が用意したもの。急に泊まった次の日の朝に困らないようにとカッターシャツに何本かの替えのネクタイまで置いてある。それら全てが私の心を痛くする。見ているだけでヒリヒリと胸の奥が焦げそうなくらい苦しい。


「捨てないと」
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