彼女のことは俺が守る【完全版】
「お腹空いたから、順序とか関係なしに一気に持ってきてもらいたいかも」


 そんな篠崎海の見せる新たな一面に私はまたドキッと心臓を高鳴らせたのだった。


 シャンパンを二人で飲んでいると前菜から始まるコース料理がテーブルの上にゆっくりと運ばれてくる。運ばれてくる料理は見目も麗しく、味も申し分ない。飲み込むのが勿体ないと思うくらいに美味しくて自分の顔が緩むのを感じた。


「里桜。どう?美味しい?」


「はい。とっても美味しいです。こんなに美味しいものを食べたのは初めてです」


「それならよかった。里桜は和食が好きだと言っていたから、この店に入った後に和食にすれば良かったんじゃないかって考えてしまったよ」


 さっきの私が入ってきた時に篠崎海の見せた憂いのある表情はもしかしたら和食にすれば良かったと思っていたということなのかもしれない。優しいと思っていたけど、優しすぎる気もした。


「とっても美味しいです。ありがとうございます。それと、家具とか洋服とかたくさんの物をありがとうございます。なんか申し訳なくて」


「それはいいよ。必要なものだと思ったから用意しただけだよ。これからも里桜が何か欲しいものがあったら遠慮なく言って欲しい。俺が無理を言って一緒に住むのだから、里桜に不自由はさせたくない」
< 86 / 188 >

この作品をシェア

pagetop