政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
「これから志津香と暮らす部屋を探しに行く、帰りに必要なものも買おう。」
そう言って私の手を握り歩き出した
部屋を出ると、まだ騒がしいのがわかった
「大丈夫、心配ない」
斗真さんはそう言ってくれたが
正直、私に二度と関わらないでほしいと思っていた
「俺さ、結構ヤキモチ焼きなんだ。今、あいつの事を考えただけでもムカついた。志津香が他の男のこと、考えるのは無理、耐えられない」
「あ、けど、あれだぞ?あいつみたいに監禁したいとか、服従すれみたいなのは俺は無理だから。志津香らしく、俺の隣にいてくれたらいい。時間はかかるかもしれないが、俺の事見て欲しい」
歩きながら話す斗真さんは
一度も私の方を見てくれない
けど、耳が真っ赤なことに気がついた
もしかして、恥ずかしい?
そうだとしたら、なんだか可愛く思えた
『心配いらないです。斗真さんは彼とは違うの知ってます。もし万が一、斗真さんに監禁されても後悔しませんから』
自分で言って笑ってしまった
斗真さんも私につられて笑ってくれた
とても幸せだ…
この幸せが、ずっと
ずっと続きますように…
そう思いながら、
斗真さんの手を握りなおした。
【FIN】