政略結婚から助けてくれたのは御曹司様
自由
「本当にいいのか?」
どこか遠慮しているのではないかと
思いながら見る
『はい、特にやりたいこともありません。まあ、強いて言えば…お料理教室に通いたいのと、通信で栄養士の勉強をしたいくらいです』
笑顔で俺に言ってくる
けど、今まで色々な事を我慢していた分、やりたい事をさせたいと思うんだが…
『いいんです。趣味程度で…斗真さんの体調管理がしたいんです』
そう言う彼女は……可愛いっ
俺は自分の顔を手で覆い、
片方の手で隣に座る
可愛い笑顔の彼女の頭を撫ぜる
っ、たく……
そう言って彼女を見れば
顔を真っ赤にしている
そんな彼女がおれは好きだ
結婚式の日、どうにか間に合い
堂本陽介との結婚に待ったをかけた
その後、赤城会長と話し
志津香を預かることにした
正直、赤城会長が志津香を引き取ると言った時、かなり焦ったが
志津香に判断を仰いだら
志津香は迷うことなく俺を選んでくれた
その日から俺は志津香と暮らし始めた
二人で暮らす部屋を探す、と言っていたが、今まで俺が住んでいる部屋で十分だと、そのまま一緒に住むことにした
志津香が作る料理は旨い
洗濯も、掃除も完璧だ
毎日、嬉しそうに家事をこなしている
そんなに嬉しいのかと、こっちまで嬉しくなってしまう