変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
ふんわりとした少し明るめの髪色の男…

「お、おはようございます。矢野さん?」

エレベーターに乗り込む時に気付かなかったけど、昨晩のチャラい男、矢野 温だった。

淡いピンク色のシャツに、チャコールグレーのネクタイ、手に上着をかかえた今朝の矢野さんは、昨晩とは別人のように、柔らかな印象の好感度抜群の男だ。

同一人物だよね?

「クスッ…なぜ疑問系?僕のこと忘れちゃった?」

人懐っこい笑顔で話しかけてくる。

「昨晩と、あまりに印象が違うので…」

正直に答える。

「だって昨晩は、瀬戸さんに僕のことを覚えてもらおうと必死だったから……睨まれちゃったけど」

照れくさそうに目を伏せる。

照れてるの?頬が赤い…

「や…そんな必死にならなくても、名乗っていただいたから覚えますよ?」

人の名前を覚えるのは得意だ。






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