変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
「矢野が?失礼な男ね……でも、それって瀬戸さんの事をよく見てるって事じゃない?
瀬戸さん、ファンデで上手に隠してるのに、見破るなんて」

たしかに。

「今日は、早帰りの日だから、ゆっくりお肌を労らなきゃね」

星野さんが、キラキラの笑顔を私に向けた。

「はい。そうします」



・・・・・



定時に仕事が終わった私は、M駅で降り、久しぶりに矢野さんのマンションへの道を歩いていた。

3週間前と同じ景色に、無性に懐かしさに駆られる。

見慣れたマンションに近付いた時、エントランスに見覚えある人影を見つけた。


「三嶋さん……」


思わず声が出てしまい、私に気付いた三嶋さんが、キッと鋭い視線を向けた。




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