変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
「どれにするか決まったの?」

不意に、後ろから声がかかり、ビクッとする。

恐る恐る後ろを振り返ると、面白そうな表情をした矢野さんで、私が手にしているポストイットを指差している。

「え、ええ。書類を提出する時に使おうかと」

驚いた事を知られたくなくて、努めて落ち着いた声で答える。

「遅刻したうえに買い物とは、あんた、いい根性してるな」

矢野さんが、ニヤリと口角を上げた。

「待ち合わせなんかしてませんよ?私は、買い物に来たんです」

行くなんて返事してなかったし!

「ふーーん、そうなんだ?キョロキョロと誰かを探してたくせに」

見られてた!

カアァァ

顔が熱い。たぶん私の頬は赤くて、矢野さんの姿を探してた事なんて、お見通しだろう。

「ポストイットを探してたんです」

苦し紛れの言い訳だ。

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