変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
今日の飲み会は疲れた。

法人営業部の先輩たちに、北海道料理のお店に連れてってもらったら、偶然、悠里の歓迎会をしていた広報室の人たちもいて、少し飲んで話した。


広報室の人たち……チャラい。

いや、広報室の人たちではなく、所属する2名が個人的にチャラい。

藤枝室長の場合は、チャラいというより、人タラシだ。
みんなに優しく接するから、自然と人が寄ってくる感じで、嫌悪感はない。

でも!ふんわりお洒落パーマの少し明るめの髪色。子犬系の可愛いらしい顔立ちの男、矢野 温(やの あつし) 入社二年目。

「ねえ、ねえ、瀬戸ちゃんって呼んでいい?」

職場で、ちゃん呼びするな!

「僕とデートするなら、映画とサッカー観戦…どっちがいい?」

どっちも嫌です。

「瀬戸ちゃん、僕のことは『矢野君』呼びで」

呼びません!


ギロッ…

他の人たちから見えないよう、矢野さんだけを睨む。


「…ごめん」

シュン…音が聞こえてきそう。


分かればいいのよ。

私は満足気に微笑んだ。














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