変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
「ご馳走さまでした」

ペコリと頭を下げる。

「お粗末さまでした」

食べたら元気になったので、食器洗いを担当する。
私が洗った食器を、矢野さんが拭いて、あっという間に片付いた。

洗い物が終わり、二人並んでほうじ茶を飲んでいる。

「法人営業部が居づらい…とか思うなら、異動願を出すって方法もありだぞ?」

「異動願……」

「美咲が、今の仕事内容にやり甲斐を感じてて、続けたいんだって思いも分かるけど、こんなぶっ倒れるほど追い詰められてたら、いい仕事なんて出来ない」

「…うん」

「それか、悩んでる原因にぶつかってみる…とか?
それが解決すれば、今の仕事を続ける事が出来るだろ?」

「悩んでる原因に、ぶつかる……」

「そう」

真っすぐに私を見据えた矢野さんが、力強く頷いた。

「俺について来て欲しければ、ついて行くし」

にぃーーと、笑う。

< 63 / 212 >

この作品をシェア

pagetop