変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
3.

守りたい

「瀬戸さん、第3会議室の片付けをお願い出来る?」

「はい、白石さん。行ってきます」

入力途中のデータを上書き保存し、午後一番で行われていた会議室の片付けに向かった。

6階の西側奥にある第3会議室へ行き、使われたコーヒーカップたちを下げ、テーブルを拭く。


コンコン…


控え目なノックとともに入ってきたのは、葉山 駿で、ご丁寧に鍵をかける。

入ってくるなり、革張りの椅子に、どっかりと腰を下ろす。

疲れた表情を隠しもしないなんて、珍しいな。

テーブルを拭く手を止め、駿がなだれ込むように座っている椅子に近く。

「お疲れさまです。葉山常務?」

左手を額に当て、目は閉じたままだ。

もしかして、体調が悪いの?

「…駿?」






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