変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
晩ごはんの準備を終えた矢野さんが、麦茶のコップを手に戻って来た。

「久しぶりだわー、明るいうちに家に帰ると暑いんだな」

「もしかして矢野さん、仕事……」

仕事があるのに、私を追いかけて?と言おうとして、自惚れちゃいけないと、言葉を呑み込む。

「ああ?どっかの誰かさんが、ボーーッと心ここに在らずで歩いててな、気になって仕事、残してきた。
ま、明日、早めに出勤するから問題ない」

「………」

申し訳ないけど、なんか嬉しい。顔がニヤける…

「おい、密かに笑うな」

「ふはは…だって、なんか嬉しい…」

ギュッと、指で頬をつままれ、グイグイ引っ張られる。

「いひゃい…いひゃい!」

「お前は、そうやって笑ってろ」

頬から指が離れ、ギュッと抱きしめられた。









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