変わらぬ愛なんて、あり得ない!【甘い香りに誘われてⅡ】spin off
「ご馳走さまでした。食器は私が洗います。矢野さんはゆっくりしててください」

美咲が、家から持参したエプロンを付けて立ち上がる。シンプルな真っ赤なエプロン。美咲って、赤が似合うよな。

「じゃあ、食器を拭くよ」

二人でしたから、あっという間に終わった。



「準備が出来たら声かけて」

そう告げて、ベランダに出た。

まだ夏が色濃く残るが、時々吹き抜ける風に、秋を感じる。


コンコン…


窓を、控えめにノックする音が聞こえ振り返ると、出かける準備が出来たらしい美咲が手を振っている。

さあ、行くか…

今日の美咲は、テーパード型のジーンズに、カーキ色の、ざっくりとしたケーブル編みのセーターを合わせている。

いつも、通勤用のカチッとした服装しか見てないから意外だし、休日仕様の美咲は尖ってなくて可愛い。

「美咲って、ジーンズが似合うな。可愛い」

「……ありがと」











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