年の差恋愛
…それから、茂が料理を担当し、亜美がそれを並べた。

出来た料理と、少しのお酒を楽しみながら、また、お互いの話をした。

片付けは、亜美が洗い物をして、茂が食器をしまった。

食後は、温かいお茶を飲みながら、まったりと過ごした。

「…明日から、また仕事ですね。…そろそろ帰らなきゃ」

…只今の時刻、午後9時を少し回ったころ。

本当は、まだまだ一緒にいたいけど、そうも言っていられない。

立ち上がろうとした亜美を、茂は自分の方に引き寄せると、キスをする。

優しかったキスは、段々と深くなり、亜美はなんとも言えない感覚に陥っていく。

「…そんな顔するな。帰したくなくなる」

亜美の耳に囁いた茂の声に、痺れるような感覚で、体の力は抜けてしまった。

潤んだ瞳で茂を見つめると、茂は、困ったような笑みを浮かべ、亜美を抱きしめた。

「…この先は、また今度」
「…私が…初めてだから?」

「…そう、焦る必要はないだろ?ずっと一緒にいるんだから」

大事にしたいから、焦りたくない。茂なりの優しさだった。

「…ありがとう、茂さん」

亜美は、茂に、ぎゅーっと抱きついた。

素直に甘えたよな亜美が可愛くて。茂は、いつまで我慢出来るんだかと、自問自答していた。
< 41 / 115 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop