年の差恋愛
…あの日、洋一と茂が酒を交わした晩、酔いの回った茂は、ぽろっと、洋一に、今、自分が置かれている状況を喋ってしまった。

全然迷わなかったと言えば、ウソになる。仕事と、婚約者、どちらかを選べと言われて、迷わない方が無理な話だ。

とは言え、答えは直ぐにでた。

仕事ではなく、婚約者である、亜美を選んだ。でも、そこまでは、洋一に話す前に眠ってしまった。

…気分良く酔っていた洋一だったが、一気に酔いが覚めた。

眠ってしまった茂の寝顔を眺めながら、洋一は言われた事を考えていた。

考えて、考えて、考えて…それから、ほんの少しだけ眠った洋一は、目を覚ますなり、亜美に電話した。

すべての事情を話し、家に来るように言った。

それから幾日が過ぎ、亜美が洋一に、答えを出した事を伝えると、2人を家に呼び出して、今に至っている。

いつまでも泣き続けている亜美を見ながら、本当にこれで良かったのかと、自問自答した洋一だったが、答えなど、出るはずはなかった。

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