居場所をください。



「あれ、貴也早くね?」


「長曽我部さん…美鈴は?」


「美鈴なら撮影終わって

そろそろ帰ってくるはずだけど。

午後からレッスンだし。」


「そうですか…。」


「なに、美鈴に会いに来たわけ?

お前も暇だな。」


「あの、長曽我部さんは時間ありますか?」


「あぁいいよ。

昼にしようかと思ってたし。

飯食う?」


「あ、あの二人がいいんですけど…。」


「……………じゃあ弁当持ってくるな。

そこ、入ってて。」


俺は長曽我部さんに言われた通り

食堂となりの会議室へ入った。




「お待たせ~。

ハンバーグか焼き魚。」


「ハンバーグ。」


「だろうな。」


俺は長曽我部さんからハンバーグ弁当を受け取った。

本当はこれ、飯食ってる暇のないタレントが

移動車でも食えるようにって用意されてんのにな。



「今日朝美鈴とお袋さんと一緒だったんだろ?」


「あぁ、はい。

美鈴から聞きました?」


「そ。貴也と貴也のお母さんと写真撮ったんだけど

ブログ載せていいー?って聞きに来た。」


「はは、美鈴らしいですね。」


「外泊許可出たんだ?」


「あー、はい。」


「なに、暗いじゃん。

調子いいんじゃねーの?」


「いや…」


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