居場所をください。
「どんなに愛しててもね
愛してるからこそ離れなければならないときもあるの。
どんなに離れたくなくても。
あなたのお母さんのように。
……………いいお兄さんじゃない。
美鈴も忘れないのよ。
あなたは愛されて生まれてきたこと。
愛してくれる家族がいること。」
「……………うん。」
「そばにいるだけが愛の形じゃない。」
「そうだね。
私はここを出てってもママの娘だもん。」
「ふふ、ありがと。」
「でも、ママも歳なんだから
あんま無理しちゃダメだよー?」
「まだ45です!!」
「はは、そうだね。
でもママここ始めたから結婚できなかったんでしょ。」
「余計なお世話よ。」
「ママはいつまでも元気でいてね。
じゃなきゃここのみんな、困るからね。」
「そうだ。
美鈴の5つ上の美優覚えてる?」
「あ、うん。美優ちゃん覚えてる!」
私が5歳の時ここに来たお姉さん。
私と同室でいっぱい遊んでくれた
大好きなお姉ちゃんだ。
「美優がね、今ここにボランティア来てるの。
仕事の合間にね。」
「えー!会いたい!」
「言うと思った。でも夜しかいないの。」
「……………ショック。」
会いたいのに…。