居場所をください。
それから私たちは全部のコースターに乗り
コーヒーカップで貴也を黙らせ
お化け屋敷で仕返しをされ
やっと暗くなり始めてきた。
「どうする?もう乗っちゃう?」
「美鈴がいいならいいけど。
もう一通り乗ったしな。」
「ね。
じゃあ行こ。」
私たちは観覧車へと向かった。
「そういえば夕飯どうする?」
「美鈴の飯かマスターんとこか。」
「じゃあマスターのとこ。
ハヤシライス食べたい。」
「じゃあマスターんとこな。」
「私たちがまともに会話したのも
あの店が初めてだよね。」
「初めてあったときは
くそ女だったもんな。」
「貴也がくそ男だったんですー!」
そんなくだらないいい合いをして
私たちは誰もいない観覧車へ乗り込んだ。