居場所をください。
~♪~♪~♪
「あ、永田さんから。
下ついたのかな。
もしもーし。」
『俺、下ついた。3人で降りてこい。』
「はーい。」
それだけ言って電話が切れた。
「ついたってさ。行こ。」
私たちはみんなで立ち上がった。
私が鍵を閉めていると
「なんで美鈴が鍵もってんの?」
……………そうだった。
隼也に聞かれてしまった。
「えー…と、」
「もしかして美鈴ここに住んでんじゃね?」
貴也に言われた。
「え!」
「確かカラオケのあともここでタクシー降りたろ。」
「……………まぁ…。」
「まじで長曽我部さんと住んでんの?」
隼也が聞いてきた。
「……………内密に…。」
「まじかよ、犯罪かよ。
ってか親よく許可したな。」
「親知らないし。」
「は?」
「私の親が知ったら
どう思うのかな。」
「……………意味わかんないんだけど…。」
「貴也には言ってあるけど
私、親がいないの。
ほんとの意味で長曽我部さんに拾われた。」
「は!?てかなんで貴也は知ってんの?」
「カラオケ行った日に喫茶店で言ったの。」
「……………詳しく聞いて良いの?」
「生まれてすぐ施設に捨てられた。
それから施設で育った。
そこから抜け出したくて、長曽我部さんについてきた。
不純でしょ。」