居場所をください。
「お待たせしました~。」
そこに私のご飯が来た。
「あー、やっとだよー。
お腹空きすぎて脳働かなかったし。」
私はパソコンを片付けて
ご飯を食べる。
お腹空きすぎてご飯が美味しい。
「美鈴って一人暮らし?」
藍子がまた聞いてくる。
「そう、一人。」
「大変?」
「まーねぇ。
仕事でくたくたでお腹すいて
家に帰ってもなにもないときとか。
私はお弁当が出たり食堂があったりするけど
ない人には辛いんじゃない?」
「ふーん…。」
「だからやっぱ離れてから
ママのありがたみとかわかる。」
「で、言われて今日来たわけね。」
「いきなり今日呼び出されたからね。
もうママに心配かけないでよね。」
「それであんたが来なくなるなら
絶対心配かけないわよ。」
「はぁ?」
「なによ。」
……………こんな風に藍子としゃべったの
初めてだね。
私たちはずっとお互いを避けてきたから。