居場所をください。



「…がんセンター?」


思わず目にとまった看板。


「癌専門の病院だよ。」


後ろで長曽我部さんが言った。


「…じゃあ…」


「ここの入院患者は助かる確率の低い人ばかりだ。」


「…じゃあ先が短い…?」


「そういうことになるな。

…なに、知ってるやつ?」


「うん、ちょっと…。」


私は思わず目が離せなくなってしまった。

夕方、楽しそうに栞奈と話していた小林くんが

お父さんらしき人と、車イスに乗った

お母さんらしき人と病院の入口で話していたから。



「じゃ、また明日来るから。」


「雄太、毎日来なくてもいいんだ。

友達ともちゃんと遊べよ。」


「遊んでるよ。

だから今日も来るの遅かったろ。」


「……………ちゃんと飯食えよ。」


「わかってるよ。

じゃーな。」


小林くんは二人にそういうと

一人で病院を出た。


その姿を見て、思わず近づいた。



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