居場所をください。
「小林くん家どこ?」
「あ、噴水のある公園わかりますか?」
「うん、わかるよ!」
施設のすぐ近くだし。
「その目の前です。」
「へぇ…そうなんだ。」
けっこうご近所さんだったんだ。
「美鈴んち近く?」
「あ、そうそう。」
私と小林くんの会話を聞いてた長曽我部さんは
小林くんの家の方へと車を走らせた。
「…あの、ご両親は…?」
「……………二人して癌です。
母はもう末期で、父は前のが再発して
今抗がん剤が終わったところです。
…二人ともたぶん助かりません。」
「え…?」
「じゃなきゃ俺に本当のことなんか
言わないと思うんです。
終わりが近いから…だと思います。」
「…小林くんはどうなるの?」
「俺はたぶんいとこんちに引き取られます。
今はまだ今の家ですけど…。」
「いとこか。よかった。」
施設とかじゃなくて…
「でも、北海道です。」
「北海道!?」
「俺の親戚はみんな北海道なんです。
俺の両親だけ東京に出てきたんで。」
「…じゃあ、東京離れるの?」
「はい。たぶん、来年度には向こうの高校に。」
「…うそでしょ…。」
じゃあ、栞奈が告白しても…離れ離れじゃん…。