居場所をください。
「よし、注文完了~。」
結局悠斗が空腹でキレて
颯太がやっと電話をした。
「でさー、亜樹はどんな女が好きなわけ?」
「またそこかよ。」
「だって岳にも悠斗にも彼女がいて、
俺は今美鈴ちゃんに夢中だし?
亜樹だけ謎なんだよな。
元カノとか話すら出てこねーじゃん。
でもいたにはいたんだろ?
岳は知ってんの?」
「あー、まぁ顔とかは知ってるけど
性格とかどんなやつかとかは知らねーよ。」
「可愛い?」
「まぁ、中の上ってとこ?
ブスじゃねーけど
あんま飾ってねーのが残念、って感じ。」
「おしゃれじゃないってこと?」
「そ。
少なくとも颯太は嫌いそうな女。」
「えー!まじかよ!
亜樹そんなんがいいの?」
「別にいいだろ。
しかも昔の話だし。」
「傷害事件起こすくらい好きだったくせに~。」
「颯太、そこは触れんなよ。
亜樹にもいろいろあったんだから。」
「はいはーい。
で、亜樹の好きなタイプは!?ズバリ!」
「はぁ?知らねーよ。」
「いや、なんかこんなんがいいとか
最低でもこのくらいは…みたいなのとか!」
「あー、まぁ努力してるやつとか。」
あいつも…勉強すげー頑張ってたしな。
「やっぱ美鈴ちゃんじゃん。」
「なんでそうなんだよ。」
「瑠樹とか朔也の話だと
美鈴ちゃん、すげー努力家みたいだし?
仕事がなくてもレッスンとかなくても
自主練とかすげーみたいだし。
一高にいた頃よりかなり可愛くなったらしいし。
見た目も中身もすげー変わったって。」
「どうでもいいわ。
つーかなんでそんな美鈴を推してくるんだよ。」
「俺は美鈴ちゃんのファンだからだよ!!」
「あいつ彼氏いんじゃん。」
「だから今チャンスじゃん。
会ってないんだから。」
「…ばかじゃねーの。
あいつは彼氏で頭がいっぱいだよ。」
昨日のこともあるしな。