居場所をください。
「……亜樹はさ、元カノのこと
もう好きじゃないんでしょ?」
「そうだな。」
「なんで?」
「なんでって、会ってねーし。」
「やっぱ会わないと冷める?」
「っていうかもう待ってる意味もないだろ。
いきなり不登校になって引っ越して
一回だけ連絡してきただけでそれっきり。
もうここには戻ってこないだろうし
そんなやつをいちいち待ってられねーし
今更戻ってこられてもどうでもいい。」
「……ふーん。 そっか。」
やっぱ会わないと冷めるのかな。
「だから、よく彼氏待ってるよな。
今時の女なら大抵乗り換えるだろ。
お前くらいの女なら男に不自由ないだろ。」
「それって私が可愛いって言ってる?」
「……認めたくはねーけど。」
「素直じゃないなぁ。」
「まー、一応芸能人だし
そこら辺の女よりは。
それに俺、ブスとは話さねーし。」
「亜樹に言われるとちょっと嬉しいね。
見た目には厳しそうだから。」
「だから、他の男にすりゃいーのに。」
「……さっき、ダンサーのハルって人にも言われた。
他の男も見ればいいのにって。」
「若いうちに遊んどかねーともったいねーよ。」
「亜樹だって遊んでないじゃん。」
「好みの女がいないだけ。」
「ふーん。
でも、まだフラれたわけじゃないし…。」
「それ言ったら俺だってフラれてねーし
フってもねーよ。
でも俺は別れたと判断してる。
待たせたやつが悪い。
他の男を好きになったっていいんじゃねーの。
つーかお前の彼氏、他の女とは会ってんじゃん。」
「……そうだけど。」
「どんだけ真面目なんだよ。」
「うるさいよ。
私だってタイプの男がいないだけだし。」
「颯太は?」
「颯太はタイプじゃないし、
颯太は私のファンであって
恋愛対象な訳じゃないよ。」
「わかんの?」
「わかるよ。
だって貴也と撮ったMVが
一番お気に入りらしいし。」
「あぁ、そういやそんなこと言ってたな。」
恋愛対象ならそんなことは普通思わないでしょ。