居場所をください。



そんな日常と違うのは

いつもは事務所の倉庫でするリハが

会場へと移動したこと。


本番同様、真っ暗になったりするから

倉庫ではできないリハをここでするのだ。


「じゃあ10分休憩して

次は本番通りな。照明も落とすから。」


「はーい。」


ふー、熱い。

半袖ショーパンでも全然寒くないや。


「美鈴、水。」


ステージに座る私に水を渡す長曽我部さん。


「ありがと。」


「美鈴ちゃんはクリスマスどうするのー?」


「仕事だよー。

ね?」


「夕方には終わるよ。」


「え、そうなの?」


「ってかレコーディングだし

美鈴次第。」


「そっかぁ。

でも一人だからねぇ。仕事でもいいや。」


「いいなー、みんなは相手がいて。」


「ハルは一人だもんね。

でも他にも相手いない人いるでしょ。」


ここにいるのは8人。

みんな彼氏彼女がいるの?


「汐里くらいじゃない?

相手いないの。

あとハル。あ、美鈴ちゃんも。」


「ユリ姉、私は彼氏いますけど。」


「あ、そうでした。」


「しおりんもいないんだね。」


「好きな人はいるけどね。」


こそっと耳元で言うしおりん。


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